事実無根の夢
愛妻の足跡は北海道で消えている。それ以上は、ドイツ人だからということで外人客の女性が勤めるいかがわしくもモダンなバーに行ってみるが、ここでも背中をしたにして身動きできない長いソファーに横になっていてなにも進展することもない。なんの情報も掴めない。 そしていきなり私の妻と結婚した長い顔の髭も生やした... 続きをみる
愛妻の夢
心筋梗塞が突然わたしを襲ったように、夢もまったくわたしの意志どおりにはあらわれてはくれない。また事実ともまったく異なる世界が夢のなかではリアルに事実のごとく展開するのには驚かされる。 実際には私の妻は9年前に亡くなってしまったのに、夢のなかでは、妻を残してわたしが東南アジアあたりに飛行機で遭難し... 続きをみる
コマ状態から目覚めて
いきなり意識を失ってしまった、というのは恐ろしいことである。自分の体がまったく管理できないことをそれはあらわしている。 私としては普通に目が覚めたという感覚だった。ただ、様子を見に来たという感じの、多少の好奇心をかかえた若い医者が 「今日はいったいいつなのかご存知ですか」 と訊ねたのはヘンダな... 続きをみる
カテータスの手術
カテータス手術専門の医者がいるようすで、彼にまかせれば大丈夫と看護婦なども私にささやいたものだった。カテータスの手術をユーチューブで私もみたことがあった。また立ち会って通訳をしたことがあるので、恐れては居なかった。ユーチューブでは、右手の血管に管を通しそのまま心臓の冠状脈の詰まっているところまでス... 続きをみる
もしかしたら心臓がという恐れは抱いていた。ユーチューブでいろいろ視聴した結果、私の左足の指の爪が紫色っぽくなっているので、ずっと1年ちかく木にかけていたのだった。心臓に関係することは知ったが、それでも痛みも覚えないし、確かに左足は色が紫ナだけでなく爪の形も波打って醜く変形しはじめていた。それでも、... 続きをみる
救急車を呼ぶ
毎日買い物という目的を自分に持たせて散歩をするようにしむけていた。特に地下鉄駅の近くには、大きなエデカやレーヴェ、そして食料品は一切置いてないウオールウオースがあり、駅のさらに先を行くとそこにはデーエムなどもあった。道順も遠回りをしてみたり、工夫してみた。ところが徐々に五月に入ってからなのだろうか... 続きをみる