蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

カテータスの手術

もしかしたら心臓がという恐れは抱いていた。ユーチューブでいろいろ視聴した結果、私の左足の指の爪が紫色っぽくなっているので、ずっと1年ちかく木にかけていたのだった。心臓に関係することは知ったが、それでも痛みも覚えないし、確かに左足は色が紫ナだけでなく爪の形も波打って醜く変形しはじめていた。それでも、心臓のあたりに痛みは全く感じなかったので、たいしたことではないような気持ちだった。
 運動をすれば詰まった血管も邪魔者が流されて再び恢復するような話も聴いていた。12月から引っ越しの準備などをしていて、体は結構動かしていた。そして妻を9年前の2013年一月3日に亡くしてから、食欲がなくなり、一時期は三十代のときに96kgまで体重は到達していたのに、80ないし、79kgまで下がっていた。だから心臓の負担は減ったはずだった。だが、足の爪が紫色になったのはここ1,2年のことであった。わからないものだ。
 起きているときには心筋梗塞とかには襲撃されてなかったのに、就寝中にやられたらしかった。それ以外にわたしには説明がつかない。


 起床したときに、なんか体がきかない。よく動かないのだった。そして歩き方がのろくなったこと。これが妻のことを思い出し、私が感じるよりも大事に違いないと見なして救急車を呼んだのだった。そして正解だったのだ。
 カテータスの手術は、その話を聴いて、まさかと思った。そんな手術はかなり老齢でなければしないのではないのかと漠然と思って避けたい気持ちになっていた。だが、66歳というのは客観的にみて高齢者に間違いなかった。
 わたし自身、ウエストエンドで急に倒れた男性客のことで呼ばれてそのカテータスの手術に立ち会って通訳を行ったことがあったが、まさか15年以上もたった今自分がそういう手術を受けるとは夢にも思わなかった。