蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

柴崎友香ともか、ツトム・ヤマグチさん、西村賢太さん


寝ても覚めても』(2010年)という日本映画をネットで視聴した。いや、正直言って傍聴したという感じだった。自分が人生の危機に遭遇し焦っているせいか、じっと視聴するということが出来ない感じなのだ。忍耐というか、視聴者にそれなりの準備を要求する映画だと思った。原作者の柴崎友香ともか、にちょっと記憶があった。ウィキで検索すると、祖父は『わたしがいなかった街で』に書かれた通り、広島市の原爆ドーム近くのホテルでコックとして働き、原爆投下の直前、呉市に移り難を逃れ、後に大阪に出たとあった。同じアーテというチャンネルでツトム・ヤマグチさんという広島、長崎の二発の原爆を被爆し、89歳で反核を活発に説いている人が紹介されていた。
 人生というものはと唖然とさせられる・・・・89と言うと、森村誠一も同年齢でまだ活躍している。


 柴崎友香の作品は芥川賞受賞した『春の庭』(2014年)を手にとって読み始めた記憶があるが、やはりせっかちすぎるわたしには話しの進み具合とか、文章が苛立たしくて、三分の一でやめてしまったものだった。この映画も同じ感じだ。
 問題は私の情緒不安定にあるのだと思う。最近は、純文学なるものに執着を覚えなくなった。逆に文学界から侮蔑されている私小説作品には意気投合できている。苦笑。西村貫太さんの急死54歳がとても悲しい。ただ、彼の場合は完全に暴飲暴食がたたったのではとも思える。わたしが医者や医療を長い間、無視してきたように、西村さんも健康管理などは無視してきたのではないかと思う。もちろん、中卒で長い期間、金に不自由してきたこともあるので、入ってからは、いや、入る前もだろうが、好きに生きてきたからとも言えるだろう。もっと好き勝手な時間を彼に与えて欲しかった。