蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

似ていてちょっと違う椎名誠と姫野カオルコの犬

すでに数年前にわたしの愛犬の物語を書いてみたいと思ってましたが、そのせいか古本屋で目に飛び込んできた幾冊かの安い文庫を手に入れることができて、すでにひとつぐらいは読み終えていました。
それはどういうことかと言うと、もう大分前の記憶で、そのあとでは他のことにおわれていて読後の感覚が失せてしまっているからでした。


お二人の書き方は、犬が主人公というよりはご自分たちの成長にそって、かつて存在した犬、その思い出が伴奏というか、綯い混ぜられて出てくるというもので、あくまでもテマは自伝的な部分です。という印象をわたしは受けています。
つまりこれはご本人の自伝的作品だと言えるでしょう。タイトルはお二人とも犬という文字を入れてますが、メインテーマとはいえないですね。もちろん、それが悪いとはいってません。
ただ、私のように犬、あの忠犬のイメージを求めて手にして読むものにとっては、別なものをちょっと読まされたかなという読後感が残りはしないでしょうか。
作家の自伝を読みたかったら、もっと違う選び方をしていたはずですので。


結果的には、犬を伴侶と思っている私には良かったのひとことですが。(椎名誠さんの犬の系譜はまだ半分ほどの読了)