蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

昭和の犬を偶然手に入れ読書中。日の名残も拾い読み

なんの期待も持たずに、たまには良いかと思って古本屋に足を向けた。これといった古本は見当たらなかったが、姫野カオルコさんの直木賞受賞作を偶然発見した。わたしも犬には良い思いでを抱いているので以前から興味は持っていたが、それが手に入るというのはほぼ奇跡に近いことだった。


読み始めて意外な印象をもった。犬のことばかりが書いてあると想像して紐解き始めていたからだった。また、わたしには書けそうもない方言が会話にでてくる。外国にいると日本語の方言のたしかなものをコレクションするのは困難なことで、じぶんが青春時代を送った、その周辺の人たちの方言ももう思い出せない、そんなこころ細さを感じる。