蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

執筆を妨害する長谷川清志のあの名曲。卒業、ほか。

『牡蠣…』の執筆は簡単なはずだった。だが、もう覚め始めているのかモチベーションが消えかけているようだ。私の関心が薄れるのはとても早過ぎる。加速度的に消えうせてしまうようだ。
衣のついた魚の残りを食パンに挟んで食べたり、そして、景気づけというか、調子を取り戻すために長谷川きよしの『卒業』や『帰っておいで』さらに『別れのサンバ』を聞いた。何度も繰り返して聞いた。そのうちに聞こえなくなってくるはずである。眼の前に立つモニターの自分の書いた文章が再び意味をもち活性化するはずであった。
だが、いっこうにそんなことは復活しなかった。
気がついてみると私は長谷川清志の曲のメロディーと歌詞に最後まで耳を傾けていた。これでは、執筆などは再開できないはずである。