蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

やはり軌道から外れてしまっている・・・・・・

11月に少しばかりのガイドの仕事が入っていた。ラフマニノフ150年記念にも当たる年でもあるし、高校生の修学旅行で6時間とホテル、空港の送迎だけの仕事なのだが、少年少女たちの専門が音楽でもあるので、それなりの準備に私も数日前から追われていた。そして二日後には空港アシスタントの仕事があった。
 そのために私の創作は一時停止になってしまった。そしてこちらは良い話だが、仕事の競争相手がふとわたしに「健康保険は俺はただだし、一月の定期券がたったの9ユーロ。しかも、テレビとかの受信料は免除された」と、その手続きをやってないわたしに優越感を感じてか電話の向こうで嗤っていた。
 健康保険費がただになれば、今毎月払っている550ユーロの負担がなくなるということになる。これはたいへんなプラスだ。そんなことが実現するならば、中断されることもなく、つまりガイドさえやる必要もなく、私に残された寿命を活用して創作活動にあてる時間が産み出されるということになる。
 これはぜひとも実現しなければならないと思う。妻の連れ子に、といってももう54歳にもなるはずだが、全財産を盗まれたままの上体をなんとか打破できればこんなことも必要ないのであるが。つまり社会保障をうけるということも。