蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

五、六度視聴したグリーンブック

昨日の月曜日の深夜に性懲りもなくこの映画を視聴した。もう暗記しているぐらいだが、穏やかな人種差別に関しての表現がなされれて好感が持てる作品だと思った。今回も。もちろん訴えるような衝撃的な作品もあってもいいと思うが、この作品はいつのまにかわたしたちをこの問題を孕む世界に誘いいれてくれるそんな作品だと思う。


 キャラクターつくりも良いと思う。素朴であまり品格のあるとは思えないが親近感のもてるイタリア人のドライバーに、愛らしいその妻。そして主人公の黒人のピアニストだ。しかもかれは同性愛という問題も抱えている。


 特にドライバーの心の変化がここではテーマ、あらわしたい主題でもあったと思う。ハッピーエンドでこころが温まるものがあったと思う。


 自分みずからも人種差別的な感情をもっていたイタリア人のドライバーがアメリカ南部で如実に同じような、いやそれ以上の醜い態度を目撃と体験をすることになる。この発展も良いと思う。
 わたし自身もドイツに住んでいてこれほどの経験はしてはいないが、ちょっとだけぶつかるものはあった。そんな体験を作品に仕上げるというのは見事なことだと思う。いかに卑小な自分の体験を永遠なものに昇華させるか、それが創作においては重要な課題だと思う。