蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

治ったかも……


ズースキントの香水でも聞きながら寝入りたいのだが、技術的に不可能なので、やむなく、これもストーリーが気に入っているS.Kingのグリーンマイルを聞きながら寝た。何時ごろ寝入れたのかは分からない。午前4時ごろだろうか、それとも5時ごろ・・・
 起床は午前9時。ということは私が感じるほど睡眠時間をとってはいないということになる。
 外気温は外側から貼り付けた窓の温度計でマイナス5度。でも、昨日からそうだったが、薄い白雲が水色に溶け込んだ薄青い空が、膂力に満ちた陽光に透かされている。そんなに寒いとは思えないが、二重窓には張り詰めた繊細な霜で幾つもの傷跡のような線描が描かれバルコニーへのガラス戸はぴったり締められているのに、その隙間から、隙間などないのにひんやりとした冷気が入ってきている。
 暖房とか入れてない寝室の室内気温は12度。
 
 昨日は女医さんが私を手術でもしている真っ最中にトイレに駆け込むとか、間に合わなくてズボンにやってしまうとか、そういう惨憺たる状態にならないように水分を取らずに出かけたものだったが、なんかそれが功を奏してくれた感じで、帰宅後、もう幾らでも下痢してくれていいと内臓に語り、緑茶、紅茶のバックを入れて作ったものを飲んだりしていたが、
 「アレッ?」
 と驚かされた。もしかしたら治ったのかなと思うほど下半身が堅固な状態になっている気がしたからだった。
 それはしかも間違いなく、翌日の今朝も下痢を起こしてなかった。数時間、完全に断水しただけで治癒できたという感じだった。下痢剤を薬局で買い入れようとさえ昨日は思ったほどだったのに。
 ミルクの量も極度に減らして飲むべきコーヒーも一杯飲んだ。
 
 うじうじしているわたしは、写真を女医が見せてくれたときに、なぜ気を利かせて「綺麗なお子さんたちですね、まるで天使のようだ」とか言ってあげられなかったのかと今更ながら後悔を繰り返している。でも、天使のように綺麗なのは女医だったので、自分の気持ちに正直すぎるわたしはその気持ちで一杯で三人の子供たちの写真をみても目には映ってなかった。
 
 あまり素晴らしいお天気なので寒くても外出はしたいと思う。滑って転ぶようなことがないように気をつけなければならないが。
 足は相変わらず浮腫みをやめてくれてない。