蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

この日本人の現地雇われスタッフが最悪の体臭保持者であった。

日本から来るお客様や会場で初対面の相手と狭い場所に座っていろいろな話をして契約とまではなかなか行かなくても、参考になるアドヴァイスを差し上げたいものであるが、Rが驚くべきことにもう3,4日間も体からむんむん臭い臭いを放っていたのでこちらは耐えられなかった。
いったい、日本のかたは鼻が鈍いのだろうかとわたしは疑問におもったほどである。それは大蒜を食べて朝もやってきて、昼も自分が作った大蒜料理のその口臭だけではない。体全体から乾いた汗、会場のなかで過ごしているうちに汗をさらにかいて古い汗の臭いがさらに蘇って回りに充満する臭いでわたしはたまらなかった。本人は自分の臭いなので気がつかないのであろうが、まわりの日本から来られた方々がなぜ気がつかないのだろうとしばしばその表情を見詰めたことがあった。だが、顔を顰める人がいなかったようだった。
同じ職場にやってきた女性の同僚にたまらなくてそのことを少し触れると、日本のかたは悪臭をかいでいても、顔にだしてはRに失礼なので、ださない。そこまで日本の人は人のことを思ってあげてやるということでは、そういう結論に達した。
わたしは綺麗な女の子が多少体臭が強くても、いや、逆に関心を持ってしまうと言えるのだが、むさ苦しい男が自分中心になんでも繋げて引き寄せてほんとうにくだらないこと、重要でないことでもべらべら話して中心に居座っているというのが全く理解できない。このRはこういう仕事には本当は適していないとしか思えない。
去年もやってもらったということで恐らく今回も使ってもらっているのだろうとおもう。R本人はだからいい気になってしまっているのかもしれない。数万人の訪れるこの会場で一番この日本人のこちらにすんでいるRの体が悪臭を放っていていた。
これも、人間観察というか、信じられないことなので書くことになってしまった。