蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

少年時代の密かな憧れを蘇らせるラ・ブーム

仕事の中身に比べて収入の少ない午前だった。それが二回もあったが、明日からは再び約1週間も無収入となる。
 しかし、仕事の終わって失業期間が再び訪れるのをどこか今は楽しみにしているようなところが私にあった。昨日なども案が浮かび、やがて話が勝手に発展して行き、メモだけした。そのまま執筆というところまでは仕事のために適度に睡眠をとらなければならなず、長椅子に横になった。それでも頭の中ではストーリーがさらに展開してやまなかった。
 そしていよいよ午後になり帰宅して自由になった。が、朝が早かったのであるものを齧ってなんとなくテレビのスイッチをいれたら、いつのまにか寝入っていた。
 書きたいことがあるのに、興味ふかいテレビに視覚と聴覚を奪われ、注意を絡め撮られてしまい、どうにもならなかった。そしてまたうつらうつらしていた。
 夜八時過ぎになってソフィー・マルソー主演のラ・ブームをなんとなく視聴した。彼女の顔が小中学校を通して憧れていた女の子に似ているので、つい魅了されてしまうのだった。観ながらかなわなかった気持ちに苛まれている始末であった。
 アラン・フールニエに、読んだ当時、よく感じられなかった作品があったが、それをまた読めたらなあとおもった。