蝦夷リス

近道への遠回り・数十年前作家になることを考え、特殊な語れる体験がなければと思い日本を後にしました。文壇のなかでのコネなどなかったからです。二十代までは必ずこの癒着がものをいうと信じてきてました。

「あん」を一日で読破

市電の鉄橋の壁に大きなポスターが貼られていた。それが映画「アン」の宣伝広告であったのでしたが、満開の薄いピンク色の桜の木のしたにたって空を仰ぎ見るといったポーズの三人の姿だったが、ドイツ語のタイトルはKirschblüten und rote Bohnen 桜と小豆ないし直訳ならば桜の花と赤い豆という日本語になる。

わたしはこちらの単行本で読みました。


マジソン軍の橋でも、情人でも映画のほうがわたしは好きなのですが、この「あん」に関してはドリアン助川さんの原作作品のほうが良いと思いました。気に入りました。


中高校生用の図書推薦とかどこかに書いてありましたが、表現、語句、思想などが的確と考えられたからなのかなとも感じました。


創作の経緯にとても関心があるのですが、ちょっと調べられない。
まず、ハンセン病患者への思いと、現今の日本人の偏見や政府への不十分な政策などが強い執筆動機として存在したと思えます。
また、あん作り、製あんと助川さんは書いてますが、あんにもご興味があったのかなとも思いました。餡子は日本人にとって特別なスィート。餡子にたいする思い入れもあったのでしょう。

すくなくともテレビ放送で三度は視聴してしまいました。


映画では、なんかお涙頂戴したいという雰囲気が長く続いてしまう感じなのですが、そこがだらだらとしてしまうし、監督の目的が露骨過ぎて、まずいなと思ってしまいました。
創作作品のほうは違います。そんなふうにはなってませんね。うまく説明する体力も知恵もないので、お買いいただいてぜひ読んでいただきたい作品です。